「水分を飲んだのに、まだ頭が痛い。」
「涼しい場所で休んだけど、頭痛だけ残っている。」
夏のスポーツ現場では、このようなことがあります。
頭痛は熱中症でみられる症状のひとつですが、水分を飲めたから、少し休んだからといって安心できるとは限りません。
特に頭痛が続いている場合は、身体の中でまだ体温調節や水分・電解質のバランスが十分に戻っていない可能性があります。
熱中症で頭痛が起こるのはなぜ?
熱中症は単純な「水不足」ではありません。
暑い環境や激しい運動によって身体に熱がたまり、発汗による水分・電解質の喪失などが重なることで、体温調節のバランスが崩れていきます。
その過程で、
- 頭痛
- 吐き気
- めまい
- 強いだるさ
- 集中力の低下
などが現れることがあります。
頭痛は「身体がまだ暑さの影響を受けている」というサインとして考える必要があります。
「水を飲んだから大丈夫」とは限りません
ここは特に注意したいところです。
汗を大量にかいたあと、水だけを補給しても、失われたナトリウムなどの電解質までは十分に戻らないことがあります。
また、そもそも身体に熱が残っていれば、水分補給だけで症状が改善するとは限りません。
そのため、
水分補給+身体を冷やす+運動を中止して休む
という対応をセットで考えることが大切です。
頭痛があるのに運動へ戻るのは避けましょう
「ちょっとマシになったから戻る。」
スポーツ現場では起こりやすい判断です。
しかし、頭痛が残っている状態は、身体が十分に回復したとはいえません。
特に子どもは、
「試合に出たい」
「みんなに迷惑をかけたくない」
という気持ちから、症状を軽く伝えることがあります。
症状が残っている間は、その日の運動再開を急がないことが重要です。
頭痛が続くときは何をすればいい?
まず、涼しい場所へ移動します。
そのうえで、
- 運動を中止する
- 衣服をゆるめる
- 身体を冷やす
- 意識がはっきりして飲めるなら水分・電解質を補給する
- 症状の変化を観察する
といった対応を行います。
環境省も、熱中症が疑われる場合には涼しい場所への避難、身体の冷却、水分・塩分の補給を基本的な応急処置として案内しています。
最近は「できるだけ早く体温を下げる」ことがより重視されています
近年の熱中症対策では、単に「休ませる」だけではなく、身体にたまった熱をいかに早く逃がすかが重要視されています。
首・脇の下・足の付け根などを冷やす方法に加えて、スポーツ現場では全身冷却やアイススラリー、手のひら冷却などについても研究が進んでいます。
ただし、頭痛が続いている人に新しい冷却方法だけを試して様子を見続けるのは違います。
症状が改善しない場合は医療機関での評価が必要です。
頭痛以外の症状も必ず確認してください
頭痛の強さだけで判断しないことも重要です。
特に、
- 吐き気や嘔吐がある
- 会話がかみ合わない
- ぼんやりしている
- 自分で水分を飲めない
- まっすぐ歩けない
- けいれんがある
といった症状があれば注意が必要です。
意識がおかしい、自力で水分を飲めない、けいれんがあるなどの場合は、速やかな救急対応が必要です。
「いつもの頭痛」と決めつけないこと
普段から頭痛がある人の場合、
「いつもの頭痛だろう。」
と判断してしまうことがあります。
しかし、真夏の運動後や大量に汗をかいたあとに出た頭痛であれば、環境や運動状況も含めて考える必要があります。
頭痛には熱中症以外の原因もあります。
冷却や休息を行っても頭痛が改善しない、悪化する、ほかの症状を伴う場合は、熱中症だけに決めつけず医療機関へ相談してください。
まとめ
熱中症による頭痛で大切なのは、痛みだけを見ることではありません。
「頭痛が残っている=まだ身体が回復していない可能性がある」
と考えることが重要です。
水分を飲ませて終わりではなく、運動を中止し、涼しい場所へ移動し、身体を冷やしながら状態を確認しましょう。
奈良市・学園前・富雄周辺でも、夏場は子どものスポーツ活動が多くなります。
「もう大丈夫かな?」と迷う状態なら、無理に競技へ戻すよりも、身体の状態を優先してください。