「かかとが痛い。」
お子さんからそう言われると、多くの保護者の方は、靴ずれや打撲を最初に疑うと思います。
ところが、詳しく聞いてみると、
「練習の途中から痛くなる」
「走ったあとは痛いけれど、休むと少し楽になる」
「かかとではなく、足の裏に近い気もする」
「痛い場所を聞くたびに少し変わる」
ということがあります。
子どもは自分の痛みを、大人のように正確な言葉で説明できるとは限りません。
だからこそ、私たちは「どこが痛いと言っているか」だけでなく、いつ、何をしたときに、どのように痛むのかを確認することが大切だと考えています。
シーバー病の痛みは、ずっと同じではありません
シーバー病は、成長期の子どもに起こる代表的なかかとの痛みです。
医学的には「踵骨骨端症」または「踵骨骨端炎」と呼ばれ、成長途中にあるかかとの骨へ、走る・跳ぶといった負荷が繰り返しかかることで症状が現れます。子どものかかとの痛みの中では、シーバー病が最も一般的な原因とされています。(PubMed Central (PMC))
ただし、痛み方は一人ひとり違います。
練習開始直後から痛む子もいれば、練習の後半になってから痛む子もいます。
帰宅後に痛みを訴える子もいれば、翌朝になって「昨日より痛い」と話す子もいます。
歩き方を変える子、つま先立ちのように歩く子、痛い側のかかとを床につけたがらない子もいます。活動によって痛みが強くなり、休むと軽くなる傾向や、痛みを避けるために歩き方が変わることは、シーバー病でみられる特徴の一つです。(Cureus)
「痛い場所」より、症状の時間割を聞いてください
保護者の方に確認していただきたいのは、痛みの場所だけではありません。
たとえば、次のような流れです。
朝起きたときはどうか。
学校では普通に歩けているか。
体育のあとに痛くなるか。
練習の最初・途中・終了後のどこで痛むか。
帰宅後や翌朝まで痛みが残るか。
一週間の中で、練習日と休養日では症状が違うか。
こうして症状を時間の流れで整理すると、単に「かかとが痛い」という情報だけでは分からなかった負荷のかかり方が見えてきます。
「試合中は走れていたから大丈夫」とは限りません。
試合中は夢中になって痛みをあまり訴えず、競技が終わってから強く痛がる子もいます。
反対に、ウォーミングアップの段階から明らかに動きが変わっているなら、競技を続けるかどうかを慎重に判断する必要があります。
かかとの痛みが、すべてシーバー病とは限りません
成長期のスポーツ選手に起こるかかとの痛みとして、シーバー病は非常に一般的です。
しかし、かかとが痛いという理由だけで、すべてをシーバー病と判断することはできません。
痛みの位置や経過によっては、
アキレス腱周辺の問題。
足底腱膜周辺の痛み。
滑液包の炎症。
骨への強い負荷。
感染症や腫瘍など、頻度は低くても見逃してはいけない状態。
こうした別の原因も考える必要があります。小児のかかとの痛みは多くが良性ですが、症状によっては詳しい評価が必要だとするレビューもあります。(PubMed Central (PMC))
特に、
転倒や衝突のあとから急に痛み出した。
安静にしていても強く痛む。
夜中に痛みで目を覚ます。
かかとが大きく腫れている。
発熱や体調不良を伴っている。
足をつけないほど痛がる。
このような場合は、「成長期だから」「シーバー病だろう」と決めつけず、早めに医療機関へ相談してください。
子どもは、痛くないのではなく「言わない」ことがあります
試合に出たい。
レギュラーを外されたくない。
保護者に心配をかけたくない。
練習を休みたくない。
そのため、痛みを隠している子もいます。
「どれくらい痛い?」と聞いても、「大丈夫」としか答えないことがあります。
そんなときは、言葉だけでなく動きを見てください。
走るときに片側へ身体が傾いていないか。
痛い側の足を早く地面から離していないか。
ジャンプの着地を反対側の足へ逃がしていないか。
階段を下りるときに動きが遅くなっていないか。
靴を履くときや、かかとを床につける瞬間に嫌がらないか。
子どもの身体は、言葉より先にサインを出していることがあります。
「走れているから大丈夫」では判断できません
スポーツをしている子どもは、多少の痛みがあっても走れてしまうことがあります。
しかし、走れることと、かかとへ適切に荷重できていることは同じではありません。
痛みを避けながら走っている場合、その負担を反対側の足や膝、股関節が引き受けていることもあります。
シーバー病は、かかとの痛みだけを見るのではなく、
どの動作で症状が出るのか。
どのようにかばっているのか。
左右で動きが変わっていないか。
競技後にどの程度症状が残るのか。
ここまで確認して初めて、現在の状態を判断しやすくなります。
大和町だるま整骨院が最初に聞くこと
当院では、最初から「シーバー病ですね」と決めつけることはありません。
まず、お子さんと保護者の方から、症状の経過を詳しく伺います。
いつから痛いのか。
練習量が増えた時期はあったか。
最近、身長や靴のサイズが急に変わっていないか。
どの靴を履いているときに痛いか。
体育館、人工芝、土のグラウンドで違いがあるか。
朝・学校・練習中・練習後で、痛みがどう変化するか。
そのうえで、かかとだけでなく、歩行、足首、足部、片脚でのバランス、走る・跳ぶ・着地するといった動作まで確認します。
診断名にお子さんを当てはめるのではなく、その子のかかとに何が起きているのかを整理することが最初の一歩です。
まとめ
子どもが「かかとが痛い」と言っても、痛みの場所や強さを正確に説明できているとは限りません。
そして、かかとの痛みがすべてシーバー病とも限りません。
重要なのは、
いつ痛むのか。
何をすると痛むのか。
痛みを避けるために動きが変わっていないか。
休んだ翌日はどうなのか。
こうした症状の流れを確認することです。
「走れているから大丈夫だろう」
「成長期だからそのうち治るだろう」
と判断する前に、一度お子さんの歩き方や練習後の様子を観察してみてください。
奈良市学園前・富雄・学園大和町周辺で、お子さんがかかとの痛みを訴えている方、シーバー病かどうか分からず対応に迷っている方は、大和町だるま整骨院へご相談ください。
試合を簡単に諦めさせるのではなく、まず現在の状態を正確に確認し、競技を続けるために何が必要なのかを一緒に考えます。