「湿布を貼っておけば、そのうち治りますか?」
足関節捻挫をしたあと、とてもよくいただく質問です。
確かに湿布には痛みを和らげる効果が期待できます。しかし、湿布だけで足関節捻挫が治るわけではありません。
なぜなら、捻挫とは単なる炎症ではなく、靱帯や関節、神経、脳など、さまざまな組織が関係するケガだからです。
今回は、湿布だけでは足りない理由についてお話しします。
湿布の役割とは?
湿布には、大きく分けて2つの役割があります。
- 痛みを和らげる
- 炎症による不快感を軽減する
つまり、湿布は「治す」ためのものというより、「症状を和らげる」ためのものだと考えると分かりやすいでしょう。
もちろん、痛みを軽減することは大切です。
しかし、それだけで身体の機能が回復するわけではありません。
靱帯は自分で元に戻るのでしょうか?
靱帯は、損傷したあとに少しずつ修復されていきます。
身体の中では、
- 炎症期
- 修復期
- 再構築期
という流れで回復が進みます。
つまり、捻挫を治しているのは湿布ではなく、身体そのものなのです。
炎症は悪者なのでしょうか?
以前は、炎症をできるだけ抑えることが大切だと考えられていました。
しかし現在は、炎症を身体の修復反応として捉える考え方が広まっています。
もちろん、過剰な炎症によって痛みが強くなることはあります。
しかし、炎症そのものが悪いわけではありません。
むしろ、身体が回復するためには必要な反応なのです。
RICEからPEACE&LOVEへ
以前は、RICE処置が広く知られていました。
- Rest(安静)
- Ice(冷却)
- Compression(圧迫)
- Elevation(挙上)
現在は、PEACE&LOVEという考え方が注目されています。
PEACE
- Protect(保護)
- Elevate(挙上)
- Avoid anti-inflammatory modalities(過度な抗炎症処置を避ける)
- Compress(圧迫)
- Educate(教育)
LOVE
- Load(適切な負荷)
- Optimism(前向きな気持ち)
- Vascularisation(有酸素運動)
- Exercise(運動療法)
つまり、「安静にして湿布を貼る」という考え方から、「段階的に回復させる」という考え方へ変化しているのです。
脳も回復しなければなりません
ここがとても重要です。
靱帯は、身体の位置を脳へ伝えるセンサーの役割も担っています。
靱帯が損傷すると、その情報が脳へ届きにくくなります。
すると脳は、
- 足首の位置を把握しにくくなる
- バランスを取りにくくなる
- 筋肉を適切に働かせにくくなる
という状態になります。
つまり、捻挫は「足首のケガ」であると同時に、「脳と身体の連携の問題」でもあるのです。
湿布だけでは、この部分を回復させることはできません。
動きを取り戻すことも必要です
痛みが落ち着いたあとも、
- 足首の動き
- バランス能力
- ジャンプ動作
- 着地動作
- 方向転換
などを回復させる必要があります。
スポーツへの復帰が早すぎると、再び足首をひねる可能性が高くなります。
当院が大切にしていること
大和町だるま整骨院では、湿布だけに頼るのではなく、
- 痛みの管理
- 関節の動き
- バランス能力
- 感覚入力
- 股関節の働き
- 競技動作
などを総合的に確認しています。
痛みだけではなく、「なぜ痛みが起きているのか」を考えることが大切だからです。
最後に
湿布は決して悪いものではありません。
しかし、湿布だけで足関節捻挫が治るわけでもありません。
本当に必要なのは、
- 身体の回復を助けること
- 適切な負荷をかけること
- 感覚を取り戻すこと
- 再発を防ぐこと
です。
次回は、「足首を何度も捻る人の身体で起きていること」についてお話しします。