足首をひねった直後、多くの人が最初に確認することがあります。
それは、「歩けるかどうか」です。
実際、
「歩けるから大丈夫だと思ったんです。」
という言葉を聞くことは少なくありません。
しかし、結論からお伝えすると、歩けることと、ケガが軽いことは同じではありません。
実際には、歩けていても骨折や靱帯損傷、軟骨損傷が隠れていることがあります。
歩けるのに重症ということはあるのでしょうか?
答えは、「あります」。
例えば、次のようなケースです。
- 靱帯の部分断裂
- 靱帯の完全断裂
- 剥離骨折
- 軟骨損傷
- ハイアンクルスプレイン
- 骨端線損傷
「痛いけれど歩ける」という状態は珍しいものではありません。
特にスポーツをしている子どもは、興奮状態や緊張状態によって痛みを感じにくくなることがあります。
そのため、「歩ける」という事実だけで判断するのは危険です。
なぜ歩けてしまうのでしょうか?
私たちの身体には、痛みを抑える仕組みがあります。
脳は、その場の状況に応じて痛みの強さを調整しています。
例えば、
- 試合中
- 練習中
- 転倒した直後
- 興奮している場面
では、脳がアドレナリンなどの働きを利用し、一時的に痛みを感じにくくすることがあります。
つまり、
「痛みが少ない」=「損傷が少ない」
とは限らないのです。
靱帯だけの問題ではありません
捻挫という言葉を聞くと、多くの人が靱帯だけを思い浮かべます。
しかし、実際にはさまざまな組織が関係しています。
靱帯
足首を支える重要な組織です。
軟骨
関節の表面を覆い、衝撃を吸収しています。
骨
剥離骨折や疲労骨折が起こることがあります。
腱
筋肉の力を骨へ伝えています。
滑膜
関節内で炎症が起こることがあります。
つまり、「捻挫」という一言では片づけられないのです。
特に注意したいのがハイアンクルスプレインです
一般的な捻挫では、外くるぶしの周辺が痛みます。
一方、ハイアンクルスプレインでは、足首の少し上に痛みが現れます。
このタイプの特徴は、
- 腫れが少ない
- 歩けることが多い
- 痛みが長引きやすい
- 復帰まで時間がかかる
という点です。
「歩けるから軽症だろう。」
そう考えて練習を続けた結果、長期間競技を休まなければならなくなるケースもあります。
子どもは特に注意が必要です
大人の場合は靱帯が傷つきやすくなります。
一方、子どもの場合は骨端線という成長途中の部分に負担が集中することがあります。
つまり、大人と子どもでは、同じ力が加わっても傷つく場所が異なるのです。
そのため、大人と同じ基準で判断することはできません。
当院が「歩けるかどうか」だけを見ない理由
大和町だるま整骨院では、「歩けるかどうか」だけで判断することはありません。
確認するのは、
- 腫れの範囲
- 圧痛の位置
- 関節の動き
- 片脚立ち
- 歩行
- ジャンプ動作
- 着地動作
- バランス能力
- 左右差
などです。
また、脳がどのように足首の位置を認識しているかという視点も大切にしています。
靱帯は単なるひもではありません。
靱帯には、身体の位置を脳へ伝えるセンサーとしての役割があります。
そのため、靱帯が損傷すると、脳は足首の位置を正確に把握しにくくなります。
その結果、
「何もない場所で足首をひねる」
という状態が起こることがあります。
これは筋力だけの問題ではなく、感覚の問題でもあるのです。
最後に
足首をひねったあと、「歩けるから大丈夫」と考えてしまう気持ちはよく分かります。
しかし、本当に大切なのは、
どの組織が、どの程度傷ついているのかを確認することです。
そして、その後の回復段階に合わせて、身体の機能を少しずつ取り戻していく必要があります。
次回は、「足首の腫れが引いたのに痛みが残るのはなぜ?」についてお話しします。