「腫れは引いたのに、まだ痛いんです。」
足関節捻挫をしたあと、この相談はとても多くあります。
見た目はほとんど元に戻り、歩くこともできます。
ところが、
- 階段を下りると痛い
- ジャンプをすると痛い
- 走ると痛い
- 正座ができない
- 何となく違和感がある
という状態が続くことがあります。
すると、多くの人がこう考えます。
「もう腫れていないのに、なぜ痛いのだろう。」
実は、腫れが引くことと、身体が完全に回復することは同じではありません。
腫れが引くと、治ったように感じます
捻挫をすると、まず炎症反応が起こります。
その結果、
- 腫れ
- 熱感
- 内出血
- 痛み
などが現れます。
そして時間の経過とともに、これらの症状は少しずつ落ち着いていきます。
しかし、これは「身体が修復を始めた」という段階に過ぎません。
靱帯や軟骨、筋肉などの組織は、そのあとも長い時間をかけて回復していきます。
つまり、
腫れが引いた=治癒した
ではないのです。
靱帯は元通りになったわけではありません
靱帯は、コラーゲン線維という組織でできています。
損傷すると、新しい組織が作られます。
しかし、その組織は最初から丈夫なわけではありません。
例えるなら、破れた布を縫い合わせた直後の状態に近いかもしれません。
見た目は元に戻っても、強度はまだ十分ではありません。
その状態で強い負荷が加わると、再び傷ついてしまうことがあります。
軟骨が傷ついている場合があります
足首には、衝撃を吸収する軟骨があります。
強い力が加わると、この軟骨が傷つくことがあります。
軟骨の特徴は、腫れが目立たないことです。
そのため、
- 歩くと痛い
- 走ると痛い
- 着地すると痛い
という症状だけが残ることがあります。
関節が硬くなっていることがあります
痛みがあると、人間の身体は無意識に動きを制限します。
これは脳が身体を守ろうとする正常な反応です。
その結果、
- 足首が曲がりにくくなる
- 足首が反りにくくなる
- 関節が硬くなる
といった変化が起こります。
すると、本来とは異なる動き方が定着し、新たな負担が生まれてしまいます。
脳が足首を正確に認識できなくなっていることがあります
ここは少し専門的な話になります。
靱帯には、身体の位置を感知するセンサーが存在しています。
脳は、その情報を利用して、
「足首がどこにあるのか」
を常に把握しています。
ところが、靱帯が損傷すると、この情報が脳へ届きにくくなります。
すると、
- バランスが取りにくくなる
- 着地が不安定になる
- 足首をひねりやすくなる
という状態が起こります。
これは筋力の問題だけではありません。
脳と身体の情報のやり取りの問題でもあるのです。
「痛みがあるから動かさない」は正解とは限りません
以前は、安静が重視されていました。
もちろん、受傷直後は患部を保護する必要があります。
しかし現在は、回復段階に合わせて適切な負荷をかけることが大切だと考えられています。
これはPEACE & LOVEという考え方にも共通しています。
重要なのは、
- いつ休むのか
- いつ動かすのか
- どれくらい動かすのか
という点です。
当院が確認していること
大和町だるま整骨院では、痛みの場所だけではなく、
- 関節の動き
- 左右差
- 筋力
- バランス能力
- ジャンプ動作
- 着地動作
- 感覚入力
- 股関節の働き
なども確認しています。
足首が痛いからといって、足首だけに原因があるとは限らないからです。
最後に
腫れが引いたにもかかわらず痛みが残ると、不安になる方も多いと思います。
しかし、その背景には、
- 組織の修復
- 関節の硬さ
- 感覚入力の低下
- 脳の防御反応
- 身体の使い方の変化
など、さまざまな要因が関係しています。
大切なのは、「まだ痛い」という結果だけを見るのではなく、「なぜ痛いのか」を考えることです。
次回は、「足関節捻挫で湿布だけでは足りない理由」についてお話しします。